食中毒予防の3原則
食中毒予防の3原則を知っていますか?
食中毒の原因となる細菌の多くは、約20℃で活発に増殖し始め、人間や動物の体温ぐらいの温度で増殖のスピードが最も速くなります。日本の夏は湿度が高く暑いため、細菌の増殖に最適な環境です。そのため、細菌が原因となる食中毒は6月~8月に多く発生しています。食中毒の原因となる細菌の代表的なものは、腸管出血性大腸菌(O-157、O-111など)やカンピロバクター、サルモネラ菌などです。腸管出血性大腸菌は、以前の焼肉チェーン店での集団食中毒の原因菌であり、これを契機にレバ刺しやユッケなどの生肉の取り扱い規制が強化されたので、記憶に新しいのではないでしょうか。生肉以外にも食中毒の原因は色々あります。食中毒予防の3原則を知って予防をしましょう。特に若齢者、高齢者、抵抗力が弱い方(免疫抑制剤?ステロイド剤?抗がん剤治療などを受けている方)は少ない菌数で重篤な症状を引き起こすことがあるのでご注意ください。
食中毒予防3原則:「つけない」「増やさない」「やっつける」
1. 食中毒の原因となる細菌を食べ物に「つけない」
- 手にはさまざまな雑菌が付着しています。食中毒の原因菌が食べ物に付かないように、次のようなときは、必ず手を洗いましょう。
調理を始める前?生の肉や魚、卵などを取り扱う前後?調理の途中で、トイレに行ったり、鼻をかんだりした後?おむつを交換したり?動物に触れたりした後、食卓につく前、残った食品を扱う前 - 生の肉や魚などを調理したまな板などの器具から、野菜などへ菌が付着しないように、使用の都度、きれいに洗いましょう。
- 焼肉などの場合には、生の肉をつかむ物と焼けた肉をつかむ物は別にしましょう。
- 食品の保管の際にも、他の食品に付いた細菌が食べ物に付着しないよう、食べ物は密封容器に入れたり、ラップをかけたりすることが大事です。
2. 食中毒の原因となる細菌を「増やさない」
- 食べ物に付着した菌を増やさないためには、低温で保存することが重要です。肉や魚などの生鮮食品やお総菜などは、購入後、できるだけ早く冷蔵庫に入れましょう。なお、冷蔵庫に入れても、細菌はゆっくりと増殖しますので、冷蔵庫を過信せず、早めに食べることが大事です。
3. 食中毒の原因となる細菌を「やっつける」
- ほとんどの細菌やウイルスは加熱によって死滅しますので、肉や魚はもちろん、野菜なども加熱して食べれば安全です。特に肉料理は中心までよく加熱することが大事です。目安は中心部の温度が75℃で1分以上加熱することです。
- ふきんやまな板、包丁などの調理器具にも、細菌やウイルスが付着します。特に肉や魚、卵などを使った後の調理器具は、洗剤でよく洗ってから、熱湯をかけて殺菌しましょう。