ペースメーカ治療について
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はじめに
ペースメーカとは?
正常の脈拍数より少ない脈になる徐脈性不整脈にたいする治療です。
主に洞不全症候群、房室ブロックが治療適応となります。
従来の経静脈リードを用いたペースメーカとリードレスペースメーカが保険適応となります。
経静脈リードを用いたペースメーカ
左(または右)の胸を5cm程度切開して大胸筋の上まで電気メスで切開します。
大胸筋の上からカテーテルを併用し右心房や右心室にリードを留置します。
留置されたリードの先端から心臓を電気的に刺激して脈を正常まで増やします。
手術は局所麻酔、2時間程度で終わります。手術後1時間で歩行ができます。入院期間は5-7日間です。
心室リード留置部位を工夫し心不全を予防する左脚領域ペーシングも行っています。
リードレスペースメーカ(以下 図を参照ください)
カテーテルを用いた手術で2.5-4cmのカプセル型ペースメーカを右心室に留置します。
皮膚切開はせずカテーテルによる鼠径部の静脈穿刺です。
手術は静脈麻酔(呼吸の管は使いません)、1時間程度で終わります。手術後6時間で歩行ができ、入院期間は4-5日間です。
経静脈リードのペースメーカと比較し、右心室のみのペーシングとなるため不整脈の状態によって若干不利な点がありますが、
皮膚トラブルや感染、術後の侵襲が少ないというメリットがあります。
リードレスペースメーカのサイズの目安
足のつけ根の静脈からカテーテルを挿入し心臓までペースメーカーを進めます
リードレスペースメーカ植込み後の状態です(写真はメーカーより使用許諾済)