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2025/1/29
TAFRO症候群に対するステロイドの初期治療の効果と奏効予測因子について解析した冨永シニアレジデントの論文がInt J Hematol誌に掲載されました。
TAFRO症候群は血小板減少、全身性浮腫、発熱、骨髄線維化、臓器腫大、腎障害などを呈する全身炎症性疾患です。ステロイドが初期治療として推奨されていますが、二次治療を必要とする危険因子や二次治療後の予後は不明でした。そこで、既報の90症例に自治医大の5症例を加えた95症例で解析を行ったところ、ステロイド単独治療(パルスを含む)開始後2週間以内に二次治療を行った症例と行っていない症例で100日生存に差はありませんでした(77.7% vs. 86.6%)。また、初期のステロイドパルス療法の有無でも予後に差はみられませんでした。二次治療までの期間を有意に短縮する因子として高い重症度スコア、高い初発時血小板数が同定されました。血小板高値群が二次治療開始までの期間を短縮する因子になるというのは意外な結果でしたが、急激な血小板減少が二次治療開始の誘因となったのかもしれません。以上の結果はInt J Hematol誌に掲載されました。
Int J Hematol 2025 Jan 29. doi: 10.1007/s12185-025-03933-1